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理科の先生

 体育の授業と理科の授業は似ていると思う。たとえば野球のルールや理論、投手と打者の心理、バットの振り方と打球の飛距離の関係をいくら勉強したところで実際の野球はうまくならない。だからといって、紅白戦ばかりやっても上達のスピードには限界がある。要は理論と実践、両方が必要なのである。


 理科も同じはずだ。教科書で星座を学ぶより、実際の夜空を星座早見盤をもって眺めたほうがずっと面白いし、勉強になるはずである。ミジンコの拡大写真を見るよりも実際に顕微鏡を使って実際に眺めたほうがずっと刺激的なはずだ。でも、先生にとってそんな授業は準備などでずっと大変だし、知識も要求される。だって、夜空から北極星を探すことができなかったら、生徒になんて言われるか分からない。


 日本学術会議が理系教育の水準を高めるための提言をまとめたとの記事があった。(→Nikkei Net:小学校高学年、理科専門の先生を)教師の科学的素養が低いことが理系教育の水準の低さの原因であると謳っている。以前、理系.info:教育の機会と先生の質でも取り上げたが、非常に重要な問題として解決しなければいけないと思う。


 これからの知識・情報化社会の中で理系的素養は重要な意味を持ってくる。基礎教育としての学校での算数・理科教育はさらに重要性を持ってくるだろう。ただ、実際には教員試験の倍率は低下し入り口段階での質の確保が難しくなると同時に、理系的素養のある先生も減ってきている。(→理系.info:先生は物理嫌い?)入り口およびその前後、すべてのプロセスで先生の質を高めるための活動が必要なのだろう。是非、文部科学省などは真剣に検討をしてほしい


最後に提言の要旨を

要 旨
1 作成の背景
・ 若者の科学的能力の低下及び理数科学習への意欲衰退の背景には、教育課程における教育内容の削減や授業時数減少の問題と共に、教師の科学的教養の低下の問題があり、教師の科学的教養を今後一層高めることが根本的な課題の一つとなっている。

・ 知識社会に対応する教育を行うためには、高度で複合的な科学的教養を生徒に獲得させる教師の養成及びその資質を持った教師の採用と、さらなる資質と能力の向上を導く研修制度の構築が不可欠である。日本学術会議は、科学教育に関わる教員養成及び現職研修に関する政策提言を喫緊の課題と認識している。

2 現状及び問題点
・ 教員養成制度の改革を国際的に見ると、高学歴化や専門資格認定制度により専門職化を図る欧米諸国に比べて、日本の専門職化政策は大幅に立ち遅れている。日本の教師の質の高さをこれまで支えてきた採用時における競争率の高さは急落しつつあり、教師の社会的地位や賃金水準も低下しつつある。

・ 専門職化のために文部科学省において検討されている教職大学院は、一部の教育系大学を中心に構想されており、国公私立いずれの大学においても実施可能な方策とはなりえていない。今後、教職課程認定を受けているいずれの大学においても実施可能な改革として、教師の科学的教養を育成する施策と制度を体系的に検討する必要がある。

・ 同様に、教員免許更新制度に関しても、教師の「実践的指導力」の基盤となる教師の科学的教養を高め、教育の専門家としての卓越性を育てる体系的なビジョンに基づいて運用される必要がある。

3 教師の科学的教養を育成するための提言
本要望では、教師の「科学的教養」を広く捉え、「科学の専門的知識を実践の臨床知へと翻案し科学的コミュニケーションを図る能力を有すること」と規定し、その専門的教養知を育成する必要性を論じた。そして現状と問題点を踏まえ、具体的短期的な政策とともに、長期的政策の提言を行った。

(1)短期的政策課題への提言
@ 小学校高学年からの理科専科教員の導入
A 教員採用試験における専修免許状取得者の積極的採用
B 小学校二種免許状取得者の一種免許状取得の奨励(義務化)
C 中学校・高等学校教員免許取得の課程認定における1学部(学科)1科目認定制度の弾力化
D 理系学生の教職科目の「実習・実験」に必修実験単位の振替を認可
E 現職教師の科学的教養を高める研修内容の導入
F 大学院における副専攻制度等による教職教養の高度化
G 高次の科学的教養と教職専門の教養を実践と知識の両面から評価する教職専門性基準の作成

(2)長期的な教師教育政策への提言
@ 教員養成を学部レベルの教育から大学院レベルの教育に移行する改革の実施
A 大学院修了者の積極的な採用と活用システムの構築
B 自然科学系大学院における科学的コミュニケーション能力育成のためのカリキュラムの検討
C 大学院において現職教師が体系的に研修できる制度の構築
D 科学的教養を備えた教師が採用される教員採用試験の実施
E 小学校教員養成大学入試科目での理科系科目の必須化

(3)今後の検討課題
本要望は、若者の科学力育成に向けての最優先課題として自然科学を中心とする理数系科目の教員養成と研修制度の提言を行っているが、今後併せて、人文・社会科学をも含めた広義の科学的教養を育成するための具体的な教育政策の在り方等を継続的に検討していく必要がある課題として指摘した。

これからの教師の科学的教養と教員養成の在り方について 日本学術会議より

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コメント

生徒の理系的素養を育てるには、理科の先生の情熱が重要と思います。

理科の先生が、あまり理科が得意でないと、生徒も理科に興味がもてないかもしれません。

理系人間として夢をもって理科の研究や活動をしているような先生が理想ですね。

rikoukeiさん

確かにそうですね。そういう人にどうやって教育者になりたいと思ってもらうのか、どうやって育てていくかを考えないとダメですね。

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