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なぜ数学の優秀な学生を活かしきれないのか

 先月、文部科学省 科学技術政策研究所から、「理数系コンテスト・セミナー参加者の進路等に関する調査」というものが発表された。数学オリンピック等の参加者に対して高校生に対しては希望する大学の専攻や職業、大学生や大学院生には大学の専攻や希望する職業、社会人には大学時代の先行や現在の職業を聞き取り調査したものだ。


 その調査資料によると、数学系研究者にとどまらず、物理・生物・情報・科学系などの各研究者は大学生・大学院生にとって就職したい人の割合に対して、実際に就職した人の数は半分またはそれ以下という結果となっている。そして、それと同時に問題と思うのが、日本数学オリンピック参加者の中で現在社会人の92人のうち、半数以上の47名が現在の職業が数学を活かせるかどうかという質問に対して「いいえ」または「どちらともいえない」と答えている。「いいえ」と回答した人で最も多い職業は医師で、医師を選んだ人だけでみると、数学関係の職業は「大変そう」「収入が少ない」「出世できそうにない」などを理由に避けていた。


 もちろん、数学オリンピックに出たからといって将来にわたって数学が優秀とは限らないし、数学以外にもすばらしい能力を持っているかもしれない。けれども日本全体で見たとき、優秀な人を優秀な分野で活かせないのはもったいないのでは無いだろうか。報告書では職業の空きが無いこともその一因としているが、諸外国と比べて数学研究者の少ない日本なのであれば、国策としてでもそのポストを増やしていいと思う。その人たちが活躍できる仕事を作ることが前提であるが。


 また、気になる結果その2である。回答者の半数近くから6割以上の人が理数系の仕事の方が文系の仕事に比べ「収入が少ない」「昇進が遅い」「忙しい」「イメージが暗い」という印象を持っているという。本当か嘘かは分からないが、理数系の仕事のイメージとしては多くの人が持っているものと同様なのではなかろうか。下記に調査書のまとめから引用するが、当たり前のことを言うだけではなく、何をどう変えていくべきなのか、本気で考えていくことが本当に必要だと思う。この理系の地位を向上させる会もその一助になりたい。


 コンテスト・セミナー参加者のあいだには、理数系研究者や理数系職業に対してネガティブなイメージを抱いている人が多い。そうしたイメージを高めるためには、そうした研究の面白さや意義をもっとアピールすると共に、理数系出身者が自分たちの専門や職業をもっとプラスに評価する必要がある。また、理数系に進学し、専門知識を身につけた優秀な人材を活用する受け皿を、社会の様々な分野に広げる必要もある。

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最終更新日:1970/01/01
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