文系と理系の給与差について(理系白書より引用)
文系出身者と理系出身者の生涯所得の差が、最大で一戸建て1軒分に相当する5,000万円になりうることが、約1万5千人の大学卒業生を対象にした調査で分かったのだ。
松繁寿和・大阪大大学院国際公共政策研究科助教授(労働経済学)らが実施した。調査対象として、ある国立大の理系学部と文系学部を1つずつ選んだ。2つの学部は入学時の偏差値がほぼ同じ。過去約50年間に、両学部を卒業したすべての人(理系約8,500人、文系約6,500人)に1998年8月、調査用紙を郵送し、その時点での年収などをたずねた。
約3,400人(理系約2,200人、文系約1,200人)が回答し、文理とも回答者の9割以上が民間で、官公庁は5〜6パーセントだった。
集計したところ、22〜30歳という若い世代の平均年収は理系529万円、文系452万円と理系が上回っていた。それが31〜40歳になると、平均年収の文理逆転が起き、文系が理系を230万円上回る969万円になった。この格差は定年まで続く。41〜50歳では理系が1,112万円、文系が1,325万円、51〜60歳では理系が1,462万円、文系が1,616万円と、各年代で文系がそれぞれ200万円前後上回った。
大学卒業後の22歳から60歳まで働くと仮定して各年代の平均年収を合計してみると、理系の総収入が3億8400万円、文系の総収入は4億3600万円で、5200万円の差が出た。
文理間の所得格差については、上場企業の役員の年収で、理系のほうが約40万円低いという調査はあったが、就職から定年まで及ぶ大規模調査は初めてという。
所得格差の理由として何が考えられるか。1つは、就職した企業の賃金体系の違いが挙げられる。理系の主な就職先がメーカーであるのに対し、文系は金融機関が多い。
もう1つ、企業の中で、理系より文系のほうが昇進しやすい点も指摘される。
松繁さんらの調査では、31〜40歳で課長以上の肩書を持っていた文系は36パーセントだったが、理系ではその半分以下の14パーセントだった。51〜60歳で常務以上の役員の肩書を持つ文系は30パーセントで、やはり理系の19パーセントを大きく上回った。
(『理系白書』p14-16 より引用、調査自体へのリンクは不明)
文理の給与差の理由として、就職先の賃金体系の違いがあげられているが、男女の給与差が違う現状で、女性比率が高い文系の方が平均給与が高いことも考慮するべきだと考えている。
- 理系と文系の給料の法則(2006.3.12)